ツクールフェスの良かったところとそこから得られたもの
ツクールアドベントカレンダー2023の12/19、19日目の記事です。
素早く適当にイベントを組みたいと思っている、ゲーム性度外視のネタゲー作者視点なのはご了承ください。
初期
中期
後期
末期
はじめに
この記事ではフェスが完全にMZを上回っていた点、惜しかった点を紹介します。
そして最後にそこから学んだこと、今のツクールに思う事をぶっちゃけます。
近い要素のプラグインが存在している箇所にはリンクを付与している為、是非メリットを取り入れてみて下さい。(ほぼ自作プラグインだけど)
戦闘
まず以下の動画をご覧ください。
この短い動画の中に画期的な要素がいくつか隠れています。
はい、10個もありました~。
見つけた方は満点。
それ以上見つけた方は1億点追加で。
顔画像がサイドビューのように前進する!攻撃を避ける!カットイン時には引っ込む!
この形式なら素材やモーションを省略しつつも躍動感を実現可能!
DLCであるツクールDS、DS+素材との互換性も、本作用に素材を書き下ろすことなく保てる。
超高速なDS+よりだいぶもたついているのが玉に瑕だが、殴り合ってる感が強化されている。
シンプルに見えてツクールを利用する中で悩む要素をほぼ全てクリアしてしまった恐るべき戦闘スタイルなのだ。
なお、無効にはできない。
TPが無い代わりに自分の身を犠牲にした恐るべき攻撃が可能となるのだ。
戦闘中にイベントを入れることは出来ないが、カットインは用意されている!
立ち絵をアニメーションと共に見せびらかしてから技を発動!
ダメージモーション、ダメージポップアップの表示されるタイミングが秀逸!
分かりやすい、読みやすい、そして一括なので効率的。
ログをAボタンで送るまで戦闘が進行しないので自分のペースで戦闘を進められる。
流石に全てを撮るのは大変なので動画には収められませんでしたが、他にもこんな要素が。
視覚的にどんなステートに掛かったか分かりやすい。
ゴブリンは剣を持っているので斬撃アニメーション、スライムは徒手空拳なので打撃アニメーション。
出現数をランダムにできる!
少なくてラッキー、多くてショック!
まとめ:
パーティメンバーを縦に並べることでワイド画面をうまく活用できている。
戦闘イベントを一切入れることができない替わりに仕様をガッシリ固めているように見える。
視覚的に楽しめ、感覚的に操作しやすい作りである。
そして表示される情報が把握しやすいのも特徴。
フェスという名前にふさわしい賑やかさだ。
そしてこれを苦し紛れに再現したのが以下の動画である。
ほぼMZそのままの戦闘の流れでありながら、その密度が大きく異なるのが分かる。
演出は全て完成しており、素材やモーションを追加する隙が無い。
プラグインが使えるのでさらなる高速化も取り入れることも出来た。
イベント
あらすじ、天からのありがたい言葉、アバンタイトル、自作エンドロールなど、何かしら印象付けたい時に使えます。
リンク先の動画を見ると理解が速いです。
遅い、普通、速い、瞬間の4段階で設定出来るんです!
それぞれMZの48、24、12、1フレームに相当する。
なんて画期的な機能なのでしょう!
ゲーム開始直後に暗くすれば、真っ暗なままゲームを開始できるのです!
MZでは画面の色調変更で代用する必要があり、直感的ではありません。
・一回転
・揺れる
・バックステップ
・角度変更
・点滅
・半透明
・感情アニメ
MZでは半透明とジャンプ、バックステップしか出来ない。
下の動画は角度変更を使用した地獄のようなイベントの動画だが、キャラクターの向きと組み合わせることで倒れさせたりすることができた。
単純ながらMVTrinityやWITHでは出せない躍動感である。
物に当たると逆方向に引き返す、左右往復、上下往復を搭載している。
自律移動「カスタム」は存在しないものの、プラグインなしでこの移動が出来るのは大きい。
また、プレイヤーから遠ざかる自律移動も存在する。
宝箱の上に表示して中身を出したように見せたり、キャラクターが物を持っているように見せたりできる!
イベントのプレビューが実際の挙動と同じ!
しかもプレビューまでのラグがない!
フェードインや色調変更も実際のゲームに則したプレビューが見られる。
武器を振ったり投げつけたり、地面に落としたり、そういった演出も可能。
自作システムのUIとして使用する事も出来た。
(十字の真ん中に透明なプレイヤーがいます)
しかも画面の瞬間移動が出来るのでマップをコマ送りにしてストップモーションアニメ風のイベントを作る人もいた。
以下は過去作だが、マップタイルをずらした差分を複数用意して動いているように見せかけている。
スイッチや変数でイベント画像を切り替えるよりお手軽で軽快。
アニメーションが秀逸!
おそらくクオリティはツクール史上最高峰。
MZのようなパーティクルではなくMVと同様のアニメーションである。
色は濃く、戦闘だけでなくマップにもよく合う。
キレは良く、長さも適切。
フレームレートも多すぎず少なすぎず、適度に目に情報が入る。
効果音は大体効果音ラボの素材を使用しており、古臭さが無く、十分な音圧。
それでいてリアルすぎることもなく適切だ。
シリアスからコミカルまで適切にマッチし、連続で複数再生するだけでもそれなりの演出になる。
全体アニメーションも秀逸で、画面を左右に一刀両断するだけのシンプルでカッコイイものやブーメラン、子気味の良い画面全体を覆い隠す大爆発などがある。
スポットライト、鳩が飛び去る、自爆など個性豊かなものも多い。
もちろんMZ向け素材集に収録されていない。
MZに使えたならどれだけ良かったことか。
加算、減算も出来る!
これは完全にMZ越えですね!
・スイッチがON
・主人公がいる/いない
・アイテムを持っている/いない
・所持金額が指定以上/未満
・レベルが指定以上/未満
・タイマーが指定以上/未満
・タイマーが指定と同じ
・変数が指定以上/未満
・変数が指定と同じ
一部MZより優れていますねぇ…
まとめ:
出現条件の為に複雑な機能を組む必要がないのでイベントシーンに注力できる。
また、そのイベントシーンに使える機能も豊富である。
フェスの演出をMZに導入すると、更なる表現の向上を目指せる事は想像に難くないだろう。
以下はその例である。
マップ
タイルを削除する消しゴムがある!
ただし、消したところは砂タイルになる。
とはいえ、無いよりは大分マシ。
建築物をプリセットから選択できる!
サンプルマップも豊富だが、これも凄い。
わざわざ細かくマップを組み立てなくても、スタンプを押す感覚で建築物が建てられる。
プリセットは膨大なので建物作りの勉強にもなる。
ファンタジー、現代、戦国などの家から城まであらゆる地形が収録されているので、ものぐさな人にも優しい。
タイルセットの概念が存在しない!
全てのタイルをイベントとして表示出来たし、より細かい地形も作れた。
移植された素材集は改悪されており、再現しようとするとマップがカクカクになる。
オートタイルが無い代わりに出来る事がシンプルで使い道が多い。
これは流石に再現不能なので使用可能タイルセットを7つに増やすゴリ押しで乗り切った。
通行判定が自由!
まとめ:
初心者に優しく、上級者は更なる高みを目指せる。
ツクールフェスのマップ制作は唯一無二だ。
その他
素材が豊富!
以下のリンクから、当時のDLCを閲覧可能だ。
見ればわかる通り、宇宙からすごろくまでイベントやマップタイルで完璧に表現可能!
ピクチャを自分で用意せずともいくつかグラフィックを重ねるだけで様々な自作システムを構築できた。
現状PC版には全く移植されていない素材がほとんど。
素晴らしい資源を全部捨ててしまったのがPCツクールなのだ。
動画で登場するミサイル、実は注射器のマップタイル。
グラフィックを180度角度変更する事で逆方向に向けることも出来た。
豊富な素材を応用する事でさらに表現を増やせたことが分かっていただけただろうか。
グラフィックを180度角度変更する事で逆方向に向けることも出来た。
豊富な素材を応用する事でさらに表現を増やせたことが分かっていただけただろうか。
24x24の規格でMZの48x48より画像が粗い、だからこそできた技だと思う。
MZの標準機能を完全に上回っています。
クイックセーブ・ロード、アイテムや所持金の変更、全回復などを搭載。
3DSの利点をフル活用!
上画面と下画面で表示する情報を分けることで、円滑な操作を可能としている。
アニメーションの表示もMZに先駆けて実装されていた。
分岐の折りたたみが可能!
MZと同じだが、実装されるまでの期間を考えると既に実装されていたフェスは斬新だったというほかない。
MVは公式サポート継続中なのに未だに実装されてないし、高度な技術を要するのでしょう。
ゲーム内のUIにもスクロールバーが表示される。
項目をどこまでスクロールしたのか、どこまでスクロールできるのかが分かりやすい。
変数の使いどころが多い!
敵キャラのステータス、アイテムの能力値、売値、買値、色々な箇所で変数を使える。
地域によって物の価値が変わったり、難易度によって敵が強くなったり、イベントで武器が強化されたり。
後述の通り計算機能が貧弱な割に使いどころが豊富。
斬新!
タイトル、サブタイトルそれぞれに異なる色と背景を設定可能。
MZと同様のフレームも6種類あり、組み合わせは無限大。
これらの装飾はMZ向け素材集に一切収録されていない。
ふざけんなよ
ダウンロードしたゲームは一覧で表示されるのだが、そこにサブタイトルは表示されない。
なのでタイトルを真っ黒にして潰すことで真のタイトルを表示するサプライズを入れることも可能。
まとめ:
機能はたくさん用意しておいたから、あとは勝手にやってくれ!
使い方次第でどうにでもなる感じが良い。
ここがダメ!
変数同士の計算、比較、代入が出来ない!
定数の代入と加算、減算しか無いのは控えめに言って頭おかしい。
しかもコマンド一つ毎にウェイトが入るのでイベントの出現条件を駆使した複雑な計算にやたら時間がかかる。
上級者向けとしても中途半端。
並列処理や条件分岐が無い!
自作システムがより複雑に…
初心者には分かりづらい概念なので仕方ない面もある。
それに実装されたとしても余計に重くなりそうだから何とも言えない。
戦闘がもたつく!
アニメーションや移動も加速していた前作DS+と違い、だいぶ遅い。
MZのサイドビューよりはマシだと思う。
3DSとNew3DSで処理速度が変わる!
2Dゲームなのにどうして変数計算の速度や自作システムの動作速度がこんなにも変わるのだろう。
フリーズする!
ゲームの編集中にいきなりクラッシュして3DSのホーム画面に戻されます。
CSツクールでありながらツクラーに定期的なセーブを促してくれます。
スタートボタンを押せばいつでもセーブできるのは幸いか。
自分の知っている限りだとプレイ中はフリーズしなかったと思う。
NGワードがある!
とはいえまともなレベル。
入力時に警告が出て書き直しを要求されるだけなので回避はしやすい。
半角カナや漢字を組み合わせて疑似的に文字を再現したりもしていた。
寧ろ自分は楽しんでいたかもしれない。
例)レオナルド→レオナノレド 死ね→タヒね
殺す
↓
メ几
木又す
MVTrinityは言葉狩りレベルなのでやりすぎ。
素材のファイル名すらNGワードに引っかかって使えなくなる。
立ち絵を自由に表示できない!
カットインとレベルアップでしか表示されない。
せめて左右に表示できさえすれば会話イベントも盛り上がったかも?
キャラクターを同時に動かせない!
「マップ上の キャラクターを コミカルに動かせる!」の項目を見ると分かるように、演出は豊富だ。
しかし、キャラクターを同時に歩かせることが出来ないので交互に瞬間移動させることで同時に動いているように見せかけていた。
まとめ:
上級者以外あまり困らないという点ではまだ致命的というほどではない。
戦闘も効率化は一応できているという点、クオリティが十分だという点でまだ擁護可能。
しかしフリーズバグ、お前は絶対に許さない。
以上の点から何が分かるか
理論上の自由度は確実にMZより低い。
しかし、イベントコマンドを含む機能のまとまりが良く、豊富な素材で世界観の構築がしやすく、イベントを感覚的に作れるという独自の良さがあった。
制限が多い代わりに標準機能が豊富で出来る事と出来ない事がはっきりしている。
割り切ったり、発想で乗り切ったりして独自の世界を作る。それもまた自由だった。
理論上には及ばないが、現実にはしやすい。
それがツクールフェスの利点。
CSツクールの機能や素材をPCツクールに取り込めば最強だろ!!!!!
WITHにも従来のCSツクールの機能をふんだんに取り込めよ!!!!!
ノウハウは歴代ツクールに詰まっている!!!!!
以上!
ツクールフェスから自分は何を学んだか
ユーザーが手軽に使え、親しみやすい。
そして感覚的にイベントが組める、それが自然体のイベントを作るのに大切だと学んだ。
文章にすると短いが、自分に及ぼした影響は大きい。
それを目指してプラグインを作ったのだから。
基本的に「出来る事は単純だが、組み合わせ次第でどうにでもなる」機能ばかりだ。
プラグインをいくつも作るうちに気づいた。
手を抜きたいところは手を抜けて、作り込みたいところは作り込める。
それでも全体的にはそれなりのクオリティに見える。
それがツクールフェスだったんだと。
作り込みが物を言うMZは際限がない。
手を抜いた場所がばれてしまう。それだけはイヤだった。
だから自分はPCツクールの際限のなさにピリオドを打つため、ツクールフェスのほとんどの要素を詰め込んだサンプルプロジェクトを作った。
何もしなくても画面の密度は十分で、キャラも自由に動かせる。
それなりの機能を備えている。
思い付きで機能を追加できる。
最低限必要なのは顔画像と歩行画像だけ。
イベントシーンに注力すればそれでゲームは完成する。
でもやろうと思えば凝ったシステムを組める。
素晴らしいじゃないですか。
CSツクールとPCツクールのハイブリッドですよ。
もはや次世代ツクールじゃないですか!(自画自賛)
ツクールフェスはツクールの一つの到達点です。
ツクラーであるあなたたちへ
公式のユーザー軽視がだんだんエスカレートしている。
コアスクリプトとエディタが噛み合っていない状況が少なくとも十年以上続いている。
MZは拡張前提の作りで、お手本となる指標は少なく、迷いやすい。
加えてフェスに比べてイベントコマンドの検証が足りず、プラグインなしだとフェス未満の使い勝手だ。
フェスで出来てMZでできない事はほぼ開発部の怠慢だと断言する。
サンプルゲームを作らないから機能の検証や素材の使い勝手が全く分かっていないのだ。
UNITEは未完成だし、MVTrinityは放置、WITHはCSツクールの良さを全部捨て、プラグイン抜きMZそのものである。
そう、ノウハウもクソもない。
もう、標準機能の見直しがほとんどできないのでVXAceを移植するしか出来る事がないのだとみた。
次世代のツクールが発表された時、今のプラグインは全て使い物にならなくなる。
その時、今のプラグイン制作者が残っているのだろうか。
残った制作者や、新たなプラグイン制作者が車輪の再発明をするのだろうか。
プラグインは勝手に生えてくるものではない。
競合ツールも台頭してきている。
秀逸な機能こそ、公式が認知し、保守していかねばツクールに未来はないと確信した。
一部のユーザーがツール全体の評価を左右してしまう状況、おかしいとは思いませんか。
あと、出来ればSUPERDANTEからフェスまでのCSツクール全ての素材を、一切改変せずに配布してほしいとお願いしてほしいです。
ラノゲツクール(スマホ版)の全素材も、可能であれば昔のPCツクールの素材も。
資料として素晴らしいですし、実用的でもある。
レトロ風ゲームが評価されている昨今、とても良い事だと思うんです。
公式が改変するとフェス素材集みたいにクオリティが劣化するので、あくまでも「そのまま」で。
(公式は何故か全素材を収録する事を避ける傾向にあります)
物好きがちゃんと組み合わせて公式に提供する事は明白ですし、画像・音声素材だけは公式はユーザーに投げて放置でいいんです。
理解するよりもぶちまける方が早い。
個人でも出来る事はやってきましたが、それでも限界があるんです。
やかましい記事は以上となります。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございました。
ツクールフェスを忘れないで下さい。
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